10年前、落とした部屋の鍵を拾ってくれたのが今の旦那です

結婚はタイミングと勢いだなんてよくいいますが、やっぱり運命ってあるだなってことがいまから10年前にありました。
当時わたしはいわゆる「かなりのモテ期」でした。どのくらいスゴかったかというと、なんと1ヶ月間に4人の男性から「結婚を前提とした交際」を申し込まれたのです。このマンガのような状況のなか、当時舞い上がってしまったわたしは「できれば4人の男性と順番に付き合いたい」などととんでもないことまで考えていたのです。

しかし結果から言うと、どの男性もわたしの「運命の人」ではありませんでした。どの男性も特に目立った欠点などなく、それこそ縁があれば結ばれていたのかもしれませんが、わたしには別の運命が待っていました。
まさに4人の男性の猛アタックを受けているときに、わたしは独り暮らしの自分の部屋の鍵を、会社の忘年会の最中に失くしてしまったのです。合鍵を持っていたので当面の問題はありませんでしたが、なくなったことに気が付いたとき大騒ぎしたので、その後仮にわたしのことを知っている人間が見つけて、悪用されるのではないかと思うといい気分はしませんでした。そしてなにより、その鍵に付いていたキーホルダーは、亡くなった母からもらったものだったのです。
そんなわけで何度か忘年会を行ったお店に問い合わせてみましたが、なかなか取り合ってもらえませんでした。真剣に探してくれない店員さんと徐々に口論になり、最後には営業妨害で警察を呼ぶとまで言われてしまったわたしは、泣く泣くあきらめることにしたのです。

ところが落ち込んでいるわたしのもとに、ある日運命の人が現れました。その人はそのお店の人で、騒動をみて気の毒に思い、営業が終わったお店の中を探してくれたのだそうです。それがきっかけで付き合い始めたわたしたちは、そのままめでたくゴールインしました。疑り深い友達は未だに「話が出来すぎ」というのですが、そんなことありませんよね?